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YOKOHAMA再発見

門前町の名残からこれからの街づくりまで 湘南エリア
藤沢

近年では人気の街ランキングに登場する藤沢。古くから伝わる伝説を切り口に、かつての藤沢の姿をご紹介します。

幾多の苦難を乗り越えた 男女の物語

浄瑠璃や歌舞伎の演目に「小栗判官 照手姫」という物語があります。この小栗判官と照手姫の物語は、さまざまな語り部によって伝えられ、記録が残っていることから、ストーリーは幾重にも存在するのですが、共通していることとして、物語のターニングポイントとなった場所、それがここ藤沢といわれています。

「かながわのむかしばなし五十選」のひとつ、「小栗判官 照手姫」ではこのように書かれています。

むかし、常陸国の小栗城に小栗孫三郎満重という大名がいた。満重は人格者で、当時関東一帯を治めていた足利持氏にも高く評価されていた。しかし、その評判が他の大名たちの妬みを生み、偽りの密告により、小栗城は攻め落とされてしまった。
戦いに敗れた満重は、十人の家来を連れて三河国を目指し、途中、藤沢宿の近くにある横山大膳という者の館に滞在した。この館にいたのが照手姫である。満重と照手姫は親密になり、夫婦になる約束をした。
しかし、館の主であった横山大膳は旅人を殺して金品を奪う賊だった。満重らも狙ったものの、簡単に襲える相手ではない。
そこで横山は、鬼鹿毛と呼ばれる人食い馬を引き出し、すすめたのだが、馬術の達人だった満重は鬼鹿毛を軽々と乗りこなしてしまう。
当てが外れた横山は、ならばと酒宴に毒薬入りの酒をすすめたことにより、満重と十人の家来は倒れ、亡骸は上野原(現在の山梨県上野原市)に捨てられた。

藤沢の遊行寺の大空上人は、夢の中で見たお告げに従って上野原に向かうと、そこにはお告げ通り十一人の屍があった。だが、満重だけがかすかに息をしていたため、上人は家来を葬り、満重を寺に連れ帰った。そして上人はお告げに従い、熊野(現在の和歌山県)に送るために、満重の胸に「この者は熊野の湯に送る重病人である。たとえ一歩でも車を引いてやる者は、千僧供養にまさる功徳を得よう」と書いた札を付け、車に乗せた。

藤沢から熊野まで、大勢の人の手によって車を引かれ、送られた満重は熊野に着き、熊野本宮の湯によってよみがえった。
生死の境から蘇った満重は、一族のいる三河に行き、その力を借り、受けた所業を幕府に訴え、兵を率いて横山を討ち取り、遊行寺にて亡くなった家来の菩提を弔ったという。

一方、照手姫は満重が毒を盛られた頃、館を抜け出したのだが、六浦のあたりで追っ手につかまり、近くの川に投げ込まれてしまった。だが、日頃信心していた観音菩薩のご利益により、溺れることなく近くの漁師によって救い上げられた。
ところが、照手姫の美しさに妬んだ漁師の女房の手によって、照手姫は人買いに売り飛ばされてしまう。

年月が過ぎ、さすらいの旅が続いていた照手姫は、青墓(現在の岐阜県大垣市)で働いているところをようやく満重に救い出され、二人は念願の夫婦となり、幸せな暮らしを送ることができた。
満重が亡くなった後、照手姫は尼となり、遊行寺の閻魔堂にて夫の供養を続け、一生を終えたという。

この遊行寺が、現在も旧東海道沿いにたたずむ清浄光寺です。

藤沢の歴史を伝える 門前町の名残

東海道の藤沢宿は、現在の小田急線・藤沢本町駅の周辺にあたり、江戸時代までは、この一帯が藤沢の中心地でした。

明治時代に入り、宿駅制度の廃止や東海道線の開通、江の島周辺の観光地化などにより、藤沢の中心は駅周辺から南側へと移っていったこともあり、宿場町の名残は、本陣や一里塚があった場所に案内板を残すのみとなっていますが、清浄光寺(遊行寺)を中心に、藤沢の歴史を伝える神社仏閣が点在しています。
また、清浄光寺の門前にある遊行寺橋は「東海道五十三次」の藤澤で描かれている橋であり、浮世絵に描かれている鳥居は江島神社の一の鳥居と称され、明治時代まで橋のたもとに立っていました。

これら旧東海道藤沢宿の歴史・文化を伝える場所として、2016年、遊行寺橋近くに「藤沢市ふじさわ宿交流館」が開館し、郷土資料展示室や多目的ホールのほか、地域の人が利用できる会議室などの交流の場をを兼ね備えています。

未来型都市を目指し ファミリー層に人気の街

「主婦が幸せに暮らせる街ランキング」*で1位を獲得した藤沢。
緑や公園が多く、海も近くにあり、自然を感じながら暮らすことができる郊外型都市の中でも、学校が多い文教地区であることや、都心までのアクセスの良さが人気のポイントであるといわれています。

また、街の歴史を担う旧東海道沿いとは景色が代わり、藤沢駅・辻堂駅周辺には、Fujisawa サスティナブル・スマートタウン内の湘南T-SITE、湘南C-X(シークロス)内のテラスモール湘南など、これからの街づくりやライフスタイルの提案を担うような文化的な複合施設の存在も、自分自身や家族一人ひとりの暮らし、週末のレジャーなどを総合的に判断する主婦らが注目するポイントの一つかもしれません。
*学研パブリッシング、2014年調べ

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