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船内を周りながら魅力を徹底解剖!

#22船内を周りながら魅力を徹底解剖!

全長は全長は約163m、幅は約20m、総トン数約12,000tの大型船「氷川丸」は、どうなっているのか?一般では入れない裏の顔も含めて徹底的にご紹介します。

寿命を超えて生き延び続ける奇跡の船、壮観約12,000tの船体から横浜の絶景を愛でる

横浜の海のシンボル「氷川丸」は、今年88歳となりました。88年間、時代とともに様々な役割を担い日本経済を助けてきた船には、海のロマンと歴史が詰まっています。

前回は「氷川丸」の28代目船長、金谷範夫(のりお)さんに歴史と魅力についてお伺いしました。

→第1回はこちら

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▲28代目船長・金谷範夫さん(左)

今回は、実際に船を歩き回りながら、より「氷川丸」を楽しむポイントや見所について教えていただきます。ふだん入れない場所も特別に潜入してきたので、ぜひ最後までお楽しみください。

大型船ならではの工夫とデザイン

聞き手 宋さん

「氷川丸」は大型船なので、大きいのは当然なのですが、どのくらいなのでしょうか。

聞き手 金谷さん

全長は約163m、幅は約20m、総トン数は約12,000tになります。高さをイメージしていただくには7階建てビルと同様の高さになっていると思っていただければ。閲覧できるエリアを一周するだけでも2,000歩はありますが、ご紹介していきますね。

聞き手 宋さん

圧倒される大きさですね…! よろしくお願いします。

写真2
聞き手 金谷さん

廊下を見ていただくと気がつくかもしれませんが、船の廊下の風景はどこも似ていて自分がどこにいるか分からなくなりやすいんです。しかも細いので人とぶつかりやすい。そんな事も考えて、船は海上ですれ違うときも、船の中で進む方向も、国際的に右側通行と決まっています。そうすると、お互いにスムーズに進めるでしょう。

写真3
聞き手 金谷さん

また、船内の設備は一目でわかるようにパイプの色が決まっています。例えばこのヒーター、スチームは銀色です。清水は水色、排水は黒、海水は緑色などとすることでミスを少なくしているんです。

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こちらはキッズルームです。船旅の一番の楽しみはやはり食事の時間。大人の皆様にお食事をゆっくり楽しんでもらうために、食堂の近くに作られています。面白いのはここで子供たちの面倒を見る人を「スチュワーデス」と呼んでいたこと。飛行機は船より後にできたので、船の用語から取った名称が多いんです。例えば「パイロット」はもともと“水先案内人“の意味で使われていました。

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写真6
聞き手 金谷さん

氷川丸はほとんどのものが外国製です。象徴的なのが1910年代半ばから1930年代にかけて流行した「アール・デコ」の装飾です。丸三角四角などの繰り返しの文様や左右対称もこの様式の特徴です。これは大量生産の意味合いもあり、繰り返しや反転で文様を使いまわすことで、生産しやすさを追及しながらもデザイン性を確保したんです。

写真7
聞き手 金谷さん

この船の床はかまぼこの様に横に向かって下がる様に傾斜がついているのがわかりますよね?甲板上に上がる波の水はけを良くするように作られいて、このため家具やドアもこの傾斜に合わせて傾いて作られています。これが当時の技術では難しかったようです。また今は内装に可燃物の使用は法律で禁止されていますが、この船の内装は木製なので貴重です。老朽化しやすい木製でも長い歴史を乗り越えてきたのは、先輩方が大切に使ってくれた証拠です。とても感謝しています。

氷川丸は神の手に守られた?大型船の神社との深い関係

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聞き手 宋さん

中央階段のこの雲のような柄は何ですか?

聞き手 金谷さん

これは、「氷川丸」の名前の由来である「武蔵国一宮氷川神社(さいたま市)」の神紋(神社などの家紋にあたる)です。船には必ず神棚があります。長い海の航海を無事に過ごせるように、また無事に帰れたことに感謝するように神様を大事にしていたんですね。

「氷川丸」には「日枝丸」「平安丸」という姉妹船が2隻あります。すべて頭文字が「H」で始まり、氷川神社、日枝神社、平安神宮という神社から名前をもらっていました。沈没せずに生き残った氷川丸は神様に守られたのか、何かを後世に伝える役目を与えられたのか、誰にも分かりません。

聞き手 金谷さん

こちらは一等特別室です。各国の貴賓や著名人が利用したスイートルームで、チャップリン氏も利用しました。細かいところまで美しくデザインされていて、窓にはステンドグラスがあしらわれています。

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聞き手 宋さん

セレブリティしか利用できなかった部屋はさすがに豪華ですね。こんな部屋で過ごせるなら、海の上でも特別気分が味わえます!

聞き手 金谷さん

屋外デッキに出てみましょう。ここが凄いのは88年前に航海を始めた当時のチーク材が残っているところです。痛みの激しい場所は張り替えられていますが、この年月を経てもほぼ当時のまま残っているんです。

写真11
聞き手 金谷さん

このデッキの上にあるのが操舵室(そうだしつ)です。舵輪があるので写真スポットとして人気です。操舵室は船の司令塔で、運転士(現在の航海士)が24時間体制で船の安全運航に努めます。だから、船長室が一番近くにあって、伝音管で繋がっているんです。トラブルがあったらここから船長に大きな声で連絡します。トランシーバー的な役割とでも言いましょうか。

写真12
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聞き手 宋さん

映画でこれを使って喋っているところを見たことがあります!実際に初めて見ました。

機関室、エンジン…船の仕組みは面白い

聞き手 金谷さん

では機関室に降りてみましょう。

ここでは現役時代のままのエンジンが残されています。当時最新鋭だったデンマークの会社のディーゼルエンジンを採用しました。こちらで見えている部分はエンジンの上の部分で、これが上下に動くことで動力を取り出します。

写真14
聞き手 宋さん

下まで降りてきたら、少しだけ涼しい気がしますね。

聞き手 金谷さん

そうなんです。実はここは水面下6mぐらいの場所ですから。氷川丸は水面に浮いていて固定されていない「係留」という状態なので、一番下までくると水面より下になるんです。高さは7階建て構造になっていると言いましたが、ここは1階にあたります。

今日は特別に一般の方が入れない、プロペラが設置されていたところまでご案内しますね。

写真15
聞き手 金谷さん

先ほど上下にピストンする部分を見ていただきましたが、それが動くとこの太い軸が動いて、先についているプロペラが回るという仕組みです。以前はこれが船の前から後ろまでずっと一本でつながっていました。

聞き手 宋さん

なんとなくではありますが、イメージが沸きました。ピストンが上下に動く動力をこちらにつなげて、プロペラを回したんですね。巨大なものを動かしていたと思うと、すごく感動します。

この部屋は何?暗くて静かな奥の部屋

聞き手 金谷さん

最後にもう一箇所、なかなか入れない部分にご案内します。

写真16
写真17
聞き手 金谷さん

こちら、何だと思いますか?

聞き手 宋さん

壁が分厚いですね。人が生活できそうな空間ではないですが…。

聞き手 金谷さん

ここは貯蔵庫です。当時は冷蔵庫なんてありませんでした。でも航海は2週間あって、食材の鮮度を保って、美味しい料理を出さなきゃいけない。室温を低く保つために当時はコルクを使ったんです。だから、分厚い壁はコルクでできているんですよ。

聞き手 宋さん

家電製品なんてない時代に、できるだけ長く食材の鮮度を保つ工夫がされていたんですね。壁にも歴史を感じます。やはり広いのでけっこう歩きましたね。ご案内どうもありがとうございました!

マリンタワー、中華街、赤レンガ倉庫…氷川丸の周りは見所満載!

聞き手 宋さん

ところで金谷さんは何で船乗りになったんですか?

聞き手 金谷さん

最初は世界への憧れでしょうか。移動手段が発達していない時代だったので、多くの人が世界を夢見た。その中でも私は小さいころから実際に海外に行きたいと強く思っていたんです。

だから、26歳で船乗りになって以来、ずっと船と一緒に生きてきました。大変なこともありますが、自分で選んだ仕事だから言い訳できないですよね。

今でも早寝早起きの生活が身体に染み付いていたり、どこでも寝られたり(笑)。心も身体も海の仕様になっています。

聞き手 宋さん

やりたい仕事を実現して、今もそれに関わっていられるって素敵なことですね!船長の金谷さんから見て、氷川丸の一番の見所は何ですか?

聞き手 金谷さん

背負ってきた役割をこなしてきた素晴らしさ、多くの船が沈んでいく中でも生き残った運のようなもの…語りつくせません。ただ、誰でも楽しめるという観点では、ここからの横浜の眺めの素晴らしさですね。

ここからは大桟橋やランドマークタワー、観覧車などを臨むことができます。船に乗らない限り、海から横浜を見るってできないでしょう。ぜひ、氷川丸からでしか眺められない風景を楽しんで行ってください。

写真18
聞き手 宋さん

海風も感じられるし、気持ちがいいですよね!見所満載の横浜ですが、氷川丸を含めて横浜を楽しむおすすめのコースはありますか?

聞き手 金谷さん

この辺りはぎゅっと楽しい場所が集まっているので、歩いて1日中楽しめますよ。例えばマリンタワーの展望台から景色を楽しんで、氷川丸に来て、隣の山下公園を散歩して、中華街でお昼を食べて。「赤い靴はいてた女の子の像」の前を通って赤レンガ倉庫まで。お買い物をしたり、疲れたらお茶を飲んだりして、その後、汽車道に。全部近くに揃っているので、ゆっくりできますよ。

聞き手 宋さん

確かに、そのコースだったら全て氷川丸から徒歩圏内ですね! デートコースにも、女の子二人でお散歩にもぴったり! 今度ぜひやってみようと思います!

氷川丸は、その大きさに圧倒されるだけでなく、歴史を感じ、美しい風景を眺めることができる魅力の詰まった場所でした。また、船長の金谷さんのご案内やお話に、海や横浜への愛が溢れていたことも印象的です。

今回ご紹介した氷川丸は、ハマトク限定特典があります。一般、シニアの方がご利用いただくと入館料が50円引きに!ぜひこの機会に、海から眺める横浜の風景を楽しみに来てください。

また、日本の海運の歴史をもっともっと深く知りたい!という方には、「日本郵船歴史博物館」もぜひどうぞ。こちらもハマトク利用で入館料が100円引きに!

日本郵船歴史博物館は、氷川丸からは徒歩15分。“港町ヨコハマ”らしい町並みを歩けるうってつけのコースです。

週末は「日本郵船氷川丸」と「日本郵船歴史博物館」で、港町のルーツを感じてみてはいかがでしょうか?

日本郵船氷川丸

【住  所】神奈川県横浜市中区山下町山下公園地先

【電話番号】045-641-4362

日本郵船歴史博物館

【住  所】神奈川県横浜市中区海岸通3-9

【電話番号】045-211-1923

※掲載内容は2018年11月時点での情報です。