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海辺で自然のアートを味わう

#23海辺で自然のアートを味わう

目の前には東京湾が広がり、館内では優しい光を感じられる横須賀美術館の魅力と、訪れたら必ずみるべきポイントをご紹介します。

太陽光・海・空・木々と一体化した建築で、ゆったり自然とアートを楽しむ

一日500~700隻の船が行き来する東京湾に面した絶景ポイントに位置する「横須賀美術館」。2007年に、市制100周年を記念してオープンしました。

年間を通して色々な美術展を開催する横須賀美術館は、

目の前に広がる東京湾と観音崎公園の豊かな自然、

そして周囲の自然と一体化した特徴的な建築も魅力の一つ。

その横須賀美術館を設計したのは、多くの公共施設やユニークな都市建築を手がけてきた山本理顕さんです。「環境全体が美術館」をテーマに、観音崎の恵まれた自然と、美術館を調和させるユニークな建物を設計しました。

ふと通りがかっただけでも、一目で分かる特徴的な建築は存在感たっぷり。

横須賀市のシンボルとして、地元の人々からも愛される理由が分かります。

今回は、この「横須賀美術館」で広報を担当する小川淳太朗さんに、館内を回りながら見所や魅力を教えていただきます。

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やさしい自然光を感じる設計

建築物としての「横須賀美術館」のトレードマークの一つは、なんと言っても自然光を取り込む丸い窓です。エントランス、壁、天井に、一見ランダムに配置された丸窓は、実は緻密に設計されているそうです。

横須賀美術館 小川さん

横須賀美術館の建築は、外側がガラス、内側が白い鉄板というダブルスキンの構造になっていますが、目を惹くのが鉄板に開けられた丸い穴です。この丸窓のおかげで建物の中にいても外の景色が見えて、息苦しさを感じさせないですね。

窓から見える風景も面白くて、エントランスホールや、2階から丸窓を見ると、景色が丸く切り取られて、その中に見える海や船が動く絵のように見えます。

写真2
横須賀美術館 小川さん

こちらは、館内で皆さんをご案内するピクトグラム「よこすかくん」です。デザインをしたのは、世界的に有名なグラフィックデザイナーの廣村正彰さんです。グッズにも使われていて、横須賀美術館のマスコットにもなっています。

写真3

建物だけでなく、細部のデザインにも徹底的にこだわっているんですね!

まず案内していただいたのは本館の展示室です。ホールには天井の丸窓から自然のやわらかい光が注いでいました。天井が高い設計のため、かなり広く感じられます。

写真4
横須賀美術館 小川さん

横須賀美術館には、大きく分けて「企画展」「所蔵品展」「谷内六郎館」という3つの展示スペースがあります。

企画展は年間6回、幅広いジャンルの展覧会を開催しています。また、所蔵品展と谷内六郎館は、年間4回展示替えをしていて、その都度特集を組んでいますので、いつ来てもきっと新しい作品との出会いがあると思いますよ。

美術館は収集方針に基づいて購入したり、ご寄贈を受けたりして作品を収集するのですが、横須賀美術館では、(1)横須賀・三浦半島にゆかりのある作家の作品、(2)横須賀・三浦半島を題材とした作品、(3)「海」を描いた作品、(4)日本の近現代美術を概観できる作品、が収集方針となっています。

現在では、約5000点の作品を所蔵していて、その中から学芸員がテーマにあった作品を選んで展示しています。ぜひ所蔵作品で気に入った作品を見つけて欲しいですね。

写真5

好奇心をかきたてる図書室と小屋裏

写真6
横須賀美術館 小川さん

こちらは美術図書室です。横須賀美術館には約3万冊の蔵書がありますが、美術評論家の匠秀夫さんから約2万冊の図書の寄贈を受け、それがベースになっています。その内6千冊くらいが図書室内に置かれ、ご自由にご覧いただくことができます。最新の美術雑誌から、分厚い美術の専門書までありますので、好きな人は飽きないでしょうね。

絵本もたくさんありますので、ご家族連れでご覧になっている姿も見かけますよ。

また、2階と3階(屋上フロア)の間には、屋根と天井との間にできる「小屋裏」という面白い空間を見ることができます。一般的にはバックヤードになりますので、むしろ隠す場所なのですが、横須賀美術館では、その小屋裏をすっきりした空間にして、あえて見せています。面白い景色を見ることができますよ。

写真7

“見せる”からこそ、配線や杭を目立たないようにする、色を白で統一するなどの工夫がされています。その先には真っ青な海と空を眺める事ができるため、コントラストも美しいのひとこと!

非常に珍しいため、建築に関心がある人に人気のスポットだそうです。

周囲の景観との一体感を味わう

階段を屋上まで上りきると、海の展望スペースがあります。

写真8
横須賀美術館 小川さん

ここは景色が良いので、横須賀美術館に来たらぜひ立ち寄って欲しいですね。無料で使うことができる望遠鏡も置いています。無料と言っても性能がいいんですよ。海上にいる船もよく見えます。

この望遠鏡は30倍という高倍率で景色が見られるため、東京湾を進む船で、人が何をしているかまで見ることができます。快晴の日は、東京の中でも横須賀から一番離れたエリアにあるスカイツリーが見えることも。一日中船・海・街を眺めていても飽きないこの場所は、「恋人の聖地」に選ばれているそうです。

そこから室外に出ると「屋上広場」「山の広場」が広がります。建物の中で「周囲の景観との一体感を最も味わえる」場なんだとか。

写真9

「山の広場」には、紫陽花、桜(ソメイヨシノ)が植えられており、季節になると花が咲き誇ります。広場は無料で入れるエリアなので、近所の方は散歩のついでやお昼の時間に景色を楽しみに来るそう。広がる海を前にお花見ができるなんて、とても贅沢ですね。

横須賀を愛した谷内六郎の作品たち

横須賀美術館には、本館だけでなく別館として「谷内六郎館」があります。谷内六郎氏は、戦後社会の“夢と現実”をほのぼのと表現した画家。1956年から死去までの26年間「週刊新潮」の表紙絵を飾っていたので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。

写真10

谷内六郎《トウフやは一番星ももって来た》1973年
横須賀美術館・谷内六郎館蔵

横須賀美術館 小川さん

週刊新潮の表紙絵で知られる谷内六郎は、ここ、観音崎にアトリエを構えました。そのご縁から谷内作品を展示する谷内六郎館ができました。作品数は1300点以上あり、年間4回、テーマごとに50点ほど展示しています。

谷内六郎館には中庭を挟んで離れのような小さな建物があります。少し気づきにくく、ちょっとした隠れ家のようですが、こちらも展示室になっていますので、ぜひお立ち寄りください。

写真11

限定オリジナルグッズも豊富なミュージアムショップ

館内めぐりの後は、ショップとレストランを案内していただきました。

まずはミュージアムショップ。ここには、実用的かつオシャレな文具や、お絵かきノート、ポストカード、お菓子などが並びます。企画展がある時は、それに関係するグッズも販売しているそうです。店員さんのオススメ商品トップ3はこちら!

1. 横須賀美術館オリジナルトートバッグ

横須賀美術館の案内人「よこすかくん」が様々なポーズを取る、楽しいデザインのトートバッグ。廣村正彰さんがデザインした、できたての新商品です。

写真12

2. スイス製のボールペンカランダッシュ

カチカチ音がせず、筆圧によって線の太さ細さが変わる、とてもなめらかな書き心地のボールペンは、人気商品の一つです。

写真13

3. 谷内六郎さんのA4サイズのファイル

横須賀らしい風景が描かれた作品《雲の物語》(1960年)と、《なかなかどかない》(1971年)をクリアファイルにしたものです。温かい絵のタッチに合わせて、和紙のような手触りに加工されていることが特徴です。

写真14

東京湾を眺めながら地産地消を楽しむ

美術館には、海が見える本格派イタリアン「アクアマーレ」が併設されています。“地産地消”をテーマにしていて、横須賀・三浦で採れた野菜、魚を使った料理を食べる事ができます。

自家製ピッツァや魚介のパスタに加え、シェフのおまかせコース、企画展とのコラボメニューなど、こだわりのメニューが並びます。

写真15

全席オーシャンビューなのも嬉しいポイント。壁一面をガラス張りにした大きな窓から東京湾が一望できます。

さらに、テラス席はペット連れ込みがOKなので、散歩のついでに海風を感じながらランチをする人もいるそう。スイーツやディナータイムのメニューもあるので、確認してみてください。

美術館のこれから

最後に小川さんに、横須賀美術館のこれからについてお伺いしました。

横須賀美術館 小川さん

訪れた人たちが、癒される場所であって欲しいと思いますね。

都会からは少し離れたところにありますが、海が目の前に広がり、自然に囲まれて、鳥の鳴き声が聴こえるという環境のなかで、美術を楽しめるというのはとても贅沢な空間ですよね。こんなに開放的な気分になれる美術館もそう多くはないと思います。たくさんの人に横須賀美術館の良さを知って欲しいですね。

写真16
横須賀美術館 小川さん

幅広いお客様に来ていただきたい一方で、地域に根付いた美術館であって欲しいとも思います。近くにお住まいの方がフラリと立ち寄ってくれたり、芝生に寝っころがって寛いでいたり、イベントに来てくれたりするととても嬉しく感じますね。環境だけでなく、人々の日常にも溶け込んでいるような横須賀美術館が大好きです。

一般的に“美術館”は知的で少しかしこまったイメージがありますが、横須賀美術館は、自然と人々の生活に馴染んだ、肩肘張らずに過ごせる場所のようです。

写真17

そして、美術館を含む観音崎公園周辺には見所が満載です。

公園内には自然散策や海水浴、バーベキューを楽しむ場所がたくさんあります。シンボルとなっている観音埼灯台は日本で最初の西洋式の灯台で1869年に初点灯しました。また、近くにある走水神社は、『古事記』『日本書紀』にも記される神話に登場するパワースポットです。

横須賀美術館と周辺の観光スポットで、一日中楽しい時間を過ごせること間違いありません!

ご紹介した横須賀美術館は、ハマトク限定特典があります。カードをご提示いただくと、観覧料が20%引きに!この機会に、横須賀美術館と、周辺のレジャー施設や観光スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか。

横須賀美術館

【住  所】神奈川県横須賀市鴨居4-1

【電話番号】046-845-1211

※掲載内容は2019年1月時点での情報です。