YOKOHAMA再発見
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大人もはしゃぐ自然の遊び場 横須賀・三浦エリア観音崎
三浦半島の東京湾側に飛び出た観音崎は、無料バーベキュー・海水浴・釣り・アスレチックなどのアクティビティと、海・木々などの自然を味わえる穴場スポットです。今回は、これでもかというほど魅力が詰まった観音崎の魅力をご紹介します。
自然、アスレチック、灯台、砲台跡…1日中遊べる穴場
三浦半島の一番東のエリアでぐっと東京湾に突き出した岬にある観音崎。ここに位置する「神奈川県立観音崎公園(以下、観音崎公園)」には、海や森などの自然をたっぷり味わったり、遊具やアスレチックで遊んだり、日本陸軍の砲台跡を見たりできる様々なレジャー施設が集まっています。
コンテンツが多いながら敷地が広大なこともあり、あまり混雑せずにのびのびとできる観音崎は、東京から日帰りで楽しめる“穴場スポット”。ただ、周囲に鎌倉、三崎、葉山など観光名所が集まるからか、意外に知られていないことも事実です。地元住民にも愛される素晴らしいレジャースポットなので、観音崎の魅力を幾つかご紹介したいと思います。
海水浴、磯遊びで子供も大人も大はしゃぎ
観音崎の見所のひとつは、やはり海。公園の北側にある「観音崎園地」は、比較的に波が穏やかな海岸です。砂浜の白と海辺の植物のグリーン、真っ青な海と空のコントラストが広がります。
夏には海水浴や磯遊びができるため家族連れで賑わいますが、他の季節に海を眺めながら散歩をするのもお勧め。引潮のタイミングなら、浅瀬で海の生き物を観察することもできるんです。カニ・イソギンチャク・クラゲだけでなく、運がよければウミウシを発見することもできるそうです。(触るのは危険なので注意しましょう。)
子供が珍しい生き物に大はしゃぎしたり、大人が岩場にサンシェードを立てて読書や音楽を楽しんだり。そんな過ごし方も贅沢ですね。
すぐそばにはバーベキューエリア(8:00~16:00、7・8月は~17:00)があります。指定エリア周辺には洗い場と複数のトイレがあり、第一駐車場からも近いので非常に便利です。
ここは利用料無料・予約不要なので、思い立った時にふらりと行けることも嬉しいポイント。天気が良く過ごしやすい日に、仲間や家族と好きな食材を持ち寄ってわいわいするのにぴったりです。
美しい見晴らしの浜辺には、怪獣が上陸した痕跡も!?
家族、友達とわいわいできる「観音崎園地」とは対照的に、ゆったりと静かに海沿いを散歩できるのが、南側にある「たたら浜」です。ここの砂浜は砂鉄が混じっっており、三浦半島でも屈指の白さ。透明度の高い海水とのコントラストが非常に美しく、見ていて飽きがきません。
たたら浜の名前の由来には諸説ありますが、製鉄と関係の深い地に「たたら」と名づけることが多かったことから、砂鉄交じりの浜が関係している説と、「多々羅」という一族がこの地に住んでいたという説が有力なようです。
実は、この浜辺は映画で有名な“あの怪獣”が初めて上陸したと言われる場所。それを記念して、怪獣の10分の1の縮尺の足跡があります。
映画の中では、怪獣は上陸したのではなく観音崎の近くで海中を歩いているところを発見されたのですが、当時、観音崎の観光業をしていた木村茂雄さん(故)が、子供たちが楽しめる場所を作りたいと、怪獣を模した滑り台を作ったそうです。
滑り台は子供たちの人気者になりましたが、潮風による腐敗と老朽化が進み、1973(昭和48)年に取り壊されました。今はその滑り台があった場所に、足跡が残っています。たたら浜の散歩がてら、あの怪獣の足跡を探してみましょう。
日本初の洋式灯台でランプを間近に見る
バーベキューエリアから坂を登っていくと現れるのが、観音崎のシンボル、観音崎灯台です。高さ19m、光到達距離35kmで、東京湾を現役で照らしている灯台も参観することができます。
明治元(1868)年に起工され、翌年に点灯式が行われた初代の観音崎灯台は日本初の洋式灯台だそうです。現在は3代目で、展望階まで上れる国内では数少ない灯台。灯台ランプを間近に見ることができる貴重な場所なんです。
灯台はとても見晴らしの良い丘の上にあるので、晴れていれば東京湾、浦賀水道、さらに対岸の千葉県房総半島まで一望することができます。世界中の船が行き来する場所でもあるので、カメラ好きの人たちからも人気のスポットです。
灯台の下の敷地内には、実際に使われていた設備が展示してあるので、そちらも合わせてチェックしてみてください。
神秘的に生い茂る緑の中の赤レンガ
他の観光地にはなかなかない観音崎のスポットとしては、砲台跡・昔の弾薬庫もあります。
なぜなら、観音崎公園は19世紀初めに幕府が海防強化のために整備した土地だったため。日本初の洋式砲台が建設されたのも、この場所でした。
公園内の砲台跡は全部で8箇所です。実戦には使われなかったそうですが、防衛上の役割を担っていた時代があると思うと歴史を感じます。
おい茂る木の中にある、赤レンガ造りの砲座(大砲を設置する台座)は、目的こそ大砲などの火器 を扱うことですが、造りが美しいので神秘的に見えます。この風景は猿島と並んで「まるでアニメの世界」と言われるほどです。
また、レンガ造りは明治時代のものとして非常に珍しい「フランス積み」が採用されています。それぞれの砲台の横には観測所跡、見張所跡、伝声管、弾薬庫跡などもあるので、調べながら回ると知識が深まるのでお勧めです。
遊具に四季の花々。いつでも、誰でも楽しめる観音崎へ
観音崎には子供たちにも嬉しい遊具やアスレチックを揃えたスポットがたくさんあります。
船を模した多数のアスレチックが楽しめる「アスレチックの森」の全長約100mのロングローラー滑り台や、「うみの子とりで」にある2mの高さの壁一面で行なうボルダリング(クライミングウォール)やトランポリンなど、都内では見られない巨大遊具には、大人もわくわくさせられます。
また、広々とした芝生の広場も多く、楽しみ方は工夫次第です。
さらに、浜辺、灯台、砲台、アスレチックと様々な遊び方ができる観音崎は、四季の花々が楽しめることも特徴です。1~2月には水仙、4~6月にはハマダイコン、6~7月には紫陽花が、公園の風景を彩ってくれます。
四季を味わうことができるので、行くたびに新しい発見がありますね!家族で、パートナーと、友達と、一人で…。どんなメンバーで行っても楽しめる穴場スポット観音崎を、ぜひ散策してみましょう。